コードの世界を読んで

率直に言ってかなりお勧め。今年読んだ本の中でも一番面白かった。プログラマーなら絶対に読んだ方がいい。
C++を使ってるひとなら「Effective C++」を読もうよっ!って言いたくなるけど、この本は、プログラマーなら「コードの世界」を読もうよっ!って言いたくなる。
決して表紙に騙されてはいけない!!内容はお墨付き!
この本の良いところは、単なる技術や考えかたの紹介じゃなくて、その背景まで詳しく説明してあるところ。例えば、オブジェクト指向プログラミングでいうと、まずはその歴史から始まり、継承について2つの意味や、多重継承の誤解、動的型と静的型のメリットとデメリット、そしてメタプログラミングなどを通じてさまざまな視点から学べます。
そしてこのような説明が、オブジェクト指向デザインパターンAjaxRuby on Rails文字コード正規表現、整数と浮動小数、プログラムの高速化と並列化、セキュリティ、時間、データの永続化においても繰り広げられます。これらの内容はプログラマーとして根本をなす技術や考え方だと思います。
こんな濃い内容を全般的に網羅している技術本はこれまでに読んだことないですし、なぜこのような本を書けるのかと言えば、著者のmatzがプログラミング言語の作成者だからでしょう。プログラミング言語を作る上では当然さまざまなことを考慮しなければならないので、これだけの広い内容を濃く説明できるのだと思います。
一通りプログラミングに関して勉強したと思う人にはぜひ読んでもらいたいし、上級者の方も再確認のために読める本だと思います。表紙と内容がミスマッチな点以外は最高の本だと思います。

まつもとゆきひろ コードの世界?スーパー・プログラマになる14の思考法

まつもとゆきひろ コードの世界?スーパー・プログラマになる14の思考法